稲盛和夫「仕事は楽しく」への共感と今の時代

書籍

やっほ〜!やまひこです。

今回は書籍 稲盛和夫「仕事は楽しく」のレビューです。

奇跡と言われるスピードでJALを再生へと導いた稲盛和夫さんのフィロソフィにスポットを当てた1冊です。

稲盛和夫さんとは

稲盛和夫さんについて紹介します。

経歴

京セラ・KDDIと誰もがしる大企業の創業者であり、稀有な経営者。

1932年生まれ。2022年老衰のため死去。(90才)

倒産直後のJALの会長に就任

2010年JAL(日本航空)が1兆円近くの債務超過状態で会社更生法を申請し倒産。

金融機関から合計5000億円以上の債務放棄、3500億円の公的資金の注入を受けてなお

二次破綻必至とみられていた。

稲盛和夫さんは鳩山由紀夫首相(当時)からの要請でJALの会長に無給で就任。

2012年奇跡と言える驚異的なスピードでJALを黒字回復させる。

同年9月にJALは再上場を果たす。

「仕事は楽しく」の真意

破綻後のJALで給料も3割カット、人員整理も行い国民から厳しい目で見られる厳しい現場で

「仕事は楽しく」と語った稲盛さん。

その真意とは?

人生の大半を費やす仕事

人生の中で、仕事は大きなポジションを占めるとの人生観が語られます。

人生の大半を費やす仕事なのだから苦痛であっては長続きできない。

仕事を好きになる努力をすべきであり、仕事に打ち込むことで自分の心が高まっていく

という考え方です。

目の前の仕事に打ち込んでみる

「好きな仕事がしたい」と言っても簡単に手に入るものではない、と本書の中では語られます。

厳しい現実の中でも、好きになろうと努力し創意工夫をする。

そして結果が出ると仕事が楽しくなってくる。

だから自分に与えられた仕事を好きになるべきだ、というわけです。

仕事はお金を稼ぐためだけじゃない

仕事をするのはお金のためだけではなく、「よく生きるため」と語られます。

仕事に一生懸命打ち込めば喜びや生きがいを感じられ人間性を高めてくれる。

金銭的なインセンティブだけでは決して長続きせず、殺伐とした社会になってしまう、との主張です。

会社は社員の幸せのためにある

資本主義の考え方では、会社の存在意義は株主価値を高めることが第一義です。

そんな中、稲盛さんは「会社員の幸福の追求」を掲げて経営します。

社員が幸せになり、本当に喜んで働くようになれば、業績も向上し

結果として株主価値を高めることができる、という信念のもとの経営です。

当初、管財人に違和感を持たれる中、経営破綻後のJALで語れることから

信念の強さがうかがえます。

意識改革で会社を変える

稲盛さんはJAL立て直しのためにJALフィロソフィを制定し全社員の意識改革を行います。

自分と同じ価値観・判断基準を持ってもらうために全社員に勉強させ、徹底させました。

方法論やテクニックではなく、「仕事は楽しく」というマインドセットによって会社を変えたのです。

所感

教養として知っておきたい考え方

読者の皆さんは稲盛さんの考え方にどのような感想を抱きましたか?

「すばらしい!!」と感じる方もいれば「いやいや、古い考え方だ・・・」と思う方もいるかと思います。

考え方はそれぞれあれど、現実に成果を出している人間がこんな考え方をしていた、ということを

知ることは大切なことです。

色んな考え方に触れた上で自分の考えを持ちたいなと思います。

共感したこと

私が本書から共感を得たのは「仕事に打ち込むことで喜びや生きがいが得られ、人間性を高めてくれる」

という点です。

現状に不平不満を言っていても何も変わりません。

厳しい現状でも「行動すること」によってしか変えることはできません。

「行動すること」の一つに目の前の仕事に打ち込んでみる、という選択肢がある

と解釈しています。

この時代に考えるべきこと

稲盛さんの考えをすばらしいと認めた上で、改めて考えてみたいことがあります。

それは「環境を変えるべき状況もある」ことと「法人よりも個人の方が長生きをする」ということです。

環境を変えるべき状況もある

稲盛さんは自身の経験から「厳しい現実でもまず目の前の仕事に打ち込んでみよ」と説きます。

確かに、これで不平や不満を言うより間違いなく成長できるし、そのことで現状が変わることは

大いにあると思います。

ただし、残念ながら世の中には報われにくい環境や関わってはいけない会社も存在します。

そんな状況下では環境を変えるという行動をとるべきです。

法人よりも個人の方が長生きする

人生100年時代、個人の寿命はどんどん伸びます。

また、時代の変化のスピードはどんどん加速し法人は低寿命化することでしょう。

そんな時代にあって、「会社は社員のため、社員は会社のため」と言う考えに偏りすぎると

危ういと考えます。

確かに会社と社員が金銭的な結びつきだけではどこか殺伐としてしまう。

ただし、社員がいくら会社のために尽くしてもずっと会社が持続するとは限らない。

だから適切にwin-winの関係を築くことが大切だと思います。

家族的経営だけでは現状は厳しく、会社と会社員お互いに利益や納得感がなければ

関係を持続するのが難しいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

読者の皆さんにも様々な考え方があることでしょう。

今回は書籍 稲盛和夫「仕事は楽しく」のレビューでした。

是非手に取ってみてください。

ではまた!

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